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EX LOVEの日記

EX LOVEのわがまま日記

12人の怒れる男たち

映画

現在23歳、女性です。大学生だった2年程前に、裁判員制度について学習する講義の時間で生徒全員で見ました。かなり古いもののようで、映像は白黒、吹き替えの音声もほんの一部英語のままがありましたが、字幕つきなので問題はありませんでした。内容はとある一つの殺人事件について、ランダムで選ばれた職業や性格の異なる12人の男性裁判員たちが、お互いの素性も知れぬまま被告の有罪無罪について激論を交わすというものです。主人公は初め一人だけ無罪を主張、裁判の内容から明らかに有罪だと思っている残り11人はその意見に呆れますが、次第に無罪の可能性が高くなり形勢が変わっていきます。


この映画の面白い点はいくつもあります。被告が未成年の少年だということ、その恵まれない生い立ちに同情する者と蔑む者、主人公の鋭い指摘など、数えきれません。しかし中でも私が最も気に入っているのは、その登場人物たちの性格の設定です。一社会人として礼儀正しい振る舞いを心掛ける紳士的な者もいれば、裁判自体渋々来ただけで早く帰宅したいと全身で言っている者、他人の意見をいちいち遮って自分の口を挟み込み、それを正論と疑わない者、様々です。時折見ていて腹が立つこともあるくらいに、とても現実味のある人間設定なのです。決して綺麗に、繕おうとしていないその発言一つ一つはセリフ染みておらず、リアリティに溢れる会話、論争となっています。


そして見終わった後に私が思うのは、裁判の結果や少年の行く末などストーリーの中身ではなく、普段の自分の言動です。知らずに相手に不愉快な思いをさせてしまったり、無遠慮な言葉選びをしていまいか、今後より意識しなければならないことや、そういった態度を相手からされた時に単純に言い返すのではなく、あの登場人物のように大人の対応を取るにはどうすればよいのか、成人して間もなかった私はこんな事を考えました。


裁判の映画、と聞くと硬くてなかなか興味を持ち辛いかもしれませんが、法律や専門用語が使われる事はないので、極普通の映画として楽しめます。お笑いやシンデレラストーリーももちろん楽しくて素敵ですが、どこか「知的な面白さ」を求めるならば、是非お勧めしたい一本です。

 

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