EX LOVEの日記

EX LOVEのわがまま日記

博士の愛した数式 小川洋子

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

 

 

この本「博士の愛した数式」に出会ったのは、自分が中学1年生の時でした。

小説が好きな母と祖母が、小学生のころ読んでいたもので、中学校の図書室にありました。
埃をかぶって置かれていたこの本に惹かれ、手にとってみました。

表紙の、繊細でどこかさみしい水彩画。独特なフォント。
一ページ目をめくると、そこには表紙からは考えられない(当時中学1年生だった自分にとって)すごく衝撃的なものでした。
この本は、新潮文庫により創刊されているものですが、新潮社といえば、週刊新潮の週刊誌のイメージしかなく
すごく大人びたような、ドキドキするものでした。そして、わくわくと好奇心がわくものでした。

まず、メインで登場する人物は3人。博士と、家政婦、そして家政婦の息子のルート。
ルートというのは本名ではなく、博士が頭の形から名付けたあだ名です。
博士は、90分しか記憶がもたず、付箋にメモをしては、普段から着ているスーツにとめる。
そうして、日々、毎日新鮮に過ごしているのです。

中学生の私にとって、本当に衝撃的でした。
90分しか記憶が持たない。それは、どんなにさみしいことで、どんなに素晴らしいか。
いじめられていた自分。どこか、憧れるような気持ちになるところがありました。

図書室で借りて、通学の電車の中で読みふけって、電車の乗り継ぎや、下車駅を間違えるくらいのめり込みました。
家に帰るまでに、2/3は読んだと思います。家に帰っても、何度も返却までの1週間、ページがよれてしまうくらい読みました。

暖かい家族、冷たい家族。家族というのは、血縁ではないのではないか。
そう考えるようになりました。自分に重ねてしまう部分もいくつかあったように思います。

この作品を通して、色々なものを学びました。
本当の愛情、人間の面白さ。
この作品を読んで、幾分か、人生の考え方が変わった気がします。
自分にとって、出会えて本当によかった作品でした。